南信州木楽日記

仕事納め

１２月２９日が当社の仕事納め。事務所は１月９日からの営業ですが、現場は工期もあるので１月５日頃から動き出します。
２９日は午前中現場を廻り、午後は事務所の掃除をして夕方６時から忘年会。事務所のスタッフと専属の大工さん合同で飯田市長姫町の「金仙」（日本料理）で毎年行います。「金仙」さんは、本当はふぐ料理の専門店ですが、この日は海鮮なべです。（社長がケチなのではなく事務長のリクエストです。）
デジカメを持っていったのですが、飲むのに忙しくて撮り忘れたので竣工時の写真です。内部は根羽杉を構造体に使ってあります。もちろん設計施工は当社です。

１２月３０日は少々二日酔いの頭を抱えながら、高校３年の息子と薪割りに精を出す。
私も子供のころはお風呂が直火焚き（五右衛門風呂）だったので、薪割りは重要な家の手伝いであり又唯一の現金収入でもあった。息子が生まれた時には薪ストーブが設置して合ったので小学校の時から手伝ってもらっている。あまり親の言うことは聞かない息子だが、薪割りだけは体力づくりになるとやってくれる。

さて今年もいよいよ終わります。私の拙いブログにお付き合いしていただいた皆さん、ほんとうにありがとうございました。来年はもう少しこまめに投稿できるよう努力しますのでよろしくお付き合い下さい。
では良いお年を！

ワイン会

１２月２３日（土）近所の酒屋「モンマート　マルトク」主催のワイン会を私共の事務所で開催した。いつもはマルトクさんの地下にあるワインセラーで開催するのだが、ワインを寝かしてあるので暖房ができない。そこで冬の間はＯＭと薪ストーブのある暖かい私共の事務所で行う事が恒例になった。
主催者のマルトク社長の小林さん。私のワインの先生です。

なぜかこのワイン会は和服でキメル方が多いのです。
年齢も、職業もばらばらの会ですが、皆さん話題が豊富な方が多いので時間が経つのを忘れてしまいます。

この会はワインのむずかしいうんちくより、楽しんで飲む事を主眼としているので気楽です。
不定期の開催なので参加希望の方はマルトクさんまで。０２６５－２４－３２７８

１２月の旅行

１２月１４日（木）から１７日（日）まで会議が続き東京（ＳＡＲＥＸ）、横浜（トライアングル）、島根県吉賀町柿木村(森里海の会)と旅行する事になった。年末が迫り一番忙しい時に仕事を離れるのは数年前では考えられなかったが、会社のスタッフがそれぞれの持ち場で支えてくれているので、かなりの後ろめたさはあるものの割り切って飯田を出発することが出来た。
１４日は東京でＳＡＲＥＸ「工務店力向上」ワークショップ。評論家の芦沢俊介氏の「家族のいまの姿と明日の姿」をテーマにしたお話。虐待、いじめ問題、家族論に造詣が深い芦沢氏から、家族の場である「住宅を造る事」を仕事としている我々工務店に対していろんな問題を投げ掛けて頂いた。
なぜか、コーディネーターの野辺公一さん（左端）に指名されて発言するＫＪワークス福井さん。（右端）
真ん中は芦沢氏。


ワークショップの後は忘年会。様子はＮＯＢＥＸ私信でどうぞ。

１５日は早朝から横浜の柴工務店さんの趣味の良さがわかる落ち着いた事務所で、大阪のＫＪワークス福井さんと「トライアングル会議」。住宅のコストダウンの方法を各社持ち寄り検証し、お互いの良いところ悪いところをざっくばらんに話し合う。工務店主はお山の大将的なところがあり独断に陥り周りが見えなくなる時があるので、外から指摘してもらう事が必要と思う。その意味でこの３人はお互いの欠点を遠慮なく指摘しあえるのでありがたい。時に脱線するが（笑）
午後、仕事の忙しい福井さんは大阪に帰り、柴さんと私は共通の趣味である水泳をするため、横浜国際プールへ。一度は泳いで見たいと思っていたプールだが、やっと実現。体に疲れは感じて風邪気味だったのだが、水深が深く（なんと２Ｍ）２５Ｍ先まで見通す事の出来る美しい短水路で１時間ほど泳ぐとみるみる体調が回復。柴さん、お付き合いしていただきありがとうございました。
１６日は朝７時ごろ、新横浜から博多行きの新幹線で広島へ。飯田へ帰るのには５時間は掛かるのに、距離が３倍以上ある広島まで３時間ちょっとなんてずるいと思いながら広島駅のホームに降りると、「森里海の会」の塾長天野礼子さんも隣の車両から降りたところで一緒に集合場所へ。
今回の「森里海の会」は島根県吉賀町柿木村で町民の方と一緒に、都市と農山村をつなげる発想を学ぼうという公開講座です。
この地方で活躍するＯＭ工務店の仲間の（株）リンケンの田村社長さんが副理事を務める「ＮＰＯ法人エコビレッジかきのきむら」が現地のコーディネイト役を務めてくれて、大変に有意義な２日間を過ごすことが出来ました。

「ストーンハウス」の名前が付いた住宅。リンケンさん施工で究極のパッシブハウスを目指したそうです。


最初からガツーンときました。

当日の夜の歓迎会は田村社長設計の喫茶店で地元の食材を使った特別料理を堪能。柿木村を源流に日本海に流れる「高津川」はダムがないため、天然鮎の産地。天野礼子さんいわく「高津川の鮎が日本一おいしく、天竜川の鮎は日本一不味い」真実だけに反論できません。(涙)
写真は高津川で採れるもずく蟹。美味でした。


１７日の午前中は町民の方々と公開講座。なんと２００名を越える盛況で立ち見客も出るほど。最初はＣ．Ｗ．ニコルさんの基調講演。昨日は体調が悪く慰労会には参加せずに宿で休んでいたニコルさんですが、今日は朝からハイテンションで満員の聴衆を引き込む。さすがです。

第二部のパネルディスカッションは有機農法を柿木村に定着した役場の課長さん等、魅力的なパネラーばかりでもう少し個々のお話を聞きたいと思いましたが、タイムオーバー。塾生としては資料を色々頂いたり名刺交換したりして、研究材料を持ち帰りました。
帰りにリンケンさん設計施工の住宅を一件拝見。

設計力、技術力に感嘆しました。

滞在した村営温泉施設「ゆらら」、下流の益田市美術館「グラントワ」（設計・内藤廣）等石州瓦を活かした島根県の建築も堪能できました。
｢ゆらら」の玄関アプローチ。石州瓦を壁に埋め込んでありました。

グラントワの中庭。屋根、壁の石州瓦が時間と共に刻々と色を変える。

リンケンの田村社長さん、「ＮＰＯエコビレッジかきのきむら」の皆さん本当にお世話になりました。
塾長の天野礼子さんが「林業再生・最後の挑戦」（農文協）を上梓されました。帰りの道中に読んだのですが、林野庁の「新生産システム」ついて詳しく解説されていて林業関係者、建築関連業者必読の書です。

上棟式

１２月１０日　大安吉日の日曜日、鼎町Ｋさんの家の上棟式の様子です。
Ｋさん一家とは、長男のＹ君が造園屋さんに勤めていた時一緒に仕事をしたのが縁で、長いお付き合いをさせていただいています。
３年前には、次男のＨ君がお嫁さんを迎えるため、お隣に新居を建てました。今回はいよいよ本家の建替えです。
古い住宅は築９０年経っていて、一家の思い出が詰まっているので解体するのは残念ですが、３世帯が同居するには無理があり建て替えの道を選択しました。
ただし、少しでも記憶に留めたいとのＫさんの意向だったので、欅の大黒柱、梁、桁など再利用できるものは使わせて頂きました。
上棟式の後の直合の席は、Ｋさんのお付き合いの広さから総勢６０名の大慰労会になりました。

久しぶりに舞台を造り棟梁の音頭で餅投げをします。


飯田市の牧野市長もご近所なので参列、来賓を代表してご挨拶を頂きました。


ご親族の長老の方が棟梁以下大工衆のために「木遣り（きやり）唄」を披露してくれました。「木遣り唄」はこの地方では諏訪の御柱の時に唄われる事で有名ですが、家の骨格を木で組み立てる豪快な仕事を讃える唄としても使われます。


さすがに総勢６０人の直合の席は迫力あります。こんなに盛大な上棟式は５年ぶりです。日が暮れても唄が次々と出て、長時間の慰労会となりました。Ｋさんのご家族の皆さんほんとうにありがとうございます。
ご苦労様でした。